カレン・ブリクセン博物館 デンマーク

2009.01.12.
・1985年、アカデミー賞(作品賞)受賞作、メリル・ストリープとロバート・レッドフォード主演、シドニー・ポラック監督のアメリカ映画『愛と哀しみの果て [DVD] Out of Africa』。

・1987年、アカデミー賞外国語部門を受賞し評判の高かったデンマーク映画『バベットの晩餐会 (ちくま文庫)』。

・デンマークの50kr紙幣に描かれている肖像画の女性。

・デンマーク・シェラン島(Oresund海峡沿い)にある、著名なデンマーク女流作家の博物館。

これら私の頭の中で、ばらばらに点在していたものが、ある日「カレン・ブリクセン Karen Blixen」という線で全て結ばれてから、この作家に傾倒していき、デンマークにある Karen Blixen Museet (博物館)を訪れたのは昨年12月のこと。

作家カレン・ブリクセンについては、こちらの記事を参考に(ならない?)
点と線が結ばれるきっかけ→「カレン・ブリクセン Karen Blixen
デンマークの50kr紙幣→「カレン・ブリクセンの肖像

カレン・ブリクセン博物館は、彼女の生家を博物館にしたものですが、1800年代初頭に建てられた当初は宿屋だったという、この家自体も骨董の域で価値あるもの。 カレン・ブリクセンの父親が、あたり一体の土地もろとも購入したのが1879年。 

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カレン・ブリクセンは1885年にこの家で生まれ、1962年にこの家で亡くなりました。 彼女の生涯と作品を展示する博物館としてオープンしたのは1991年。

廊下の壁にかかっている絵は、カレン・ブリクセンがフランスの美術学校の入学審査用に送ったものだとか。 画家を目指しコペンハーゲンやパリで絵画を学んだ彼女の、アフリカで描いた色彩豊かな油絵も展示されています。

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古い家なので何度も改装していますが、主な部屋の内装や調度品はカレン・ブリクセンが暮らしていたときのまま。 ダイニングには季節柄クリスマスツリーが飾られていました。

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そして、室内に漂う芳しい花の香り! 全ての部屋に花が生けてあるのですが、それはカレン・ブリクセンが生けていたものとそっくり同じ。 アフリカからデンマークに戻った後、絵筆を取ることはなかったカレン・ブリクセン。 絵筆の代わりに、庭に咲く花々を手に取り、それらを芸術的に生けたそう。 友人の建築家が撮影した、その生け花の写真が膨大に残っているため、博物館は写真を元にカレン・ブリクセンが創造したのと同じ花を今日も飾っているのだとか。

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そんな話をしてくれたのは、係員である初老の上品な物腰のおば様。 邪魔をせず、館内を自由に見学させてくれ、かつ必要なときには居てくださる。 ダイニングにあった、挿絵のような絵が並んでいる変わった屏風に見入っていると、「これはカーレン・ブリクセンがフランスのアンティーク屋で買ったもの。 エキゾチックな人物達の絵は雑誌から切り抜かれ、それを屏風に貼り付け、色を塗り背景を描いたもので、当時でもかなりキッチュ。 カーレン・ブリクセンはこの屏風をアフリカに持って行き、デンマークに戻るときも、他の家財道具はほとんど全て売ってしまったけど、これだけは手放さなかった。 小説の創作に行き詰ると、この屏風を見てアイデアを得ていたのよ。 どの絵が彼女のどの作品にインスピレーションを与えたか、よく見ると分かるでしょ」なんて、絶妙なタイミングで現れ、説明してくださるのです。

L字型である家の一番端にあるのは、博物館のパンフレットにも載っている、カレン・ブリクセンが小説を執筆していた部屋。 彼女が本格的に小説を書き始めたのは1933年、48歳のとき。 (英語でも執筆しており、その場合 Isak Dinesen というペンネームを使っています。)

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私たちが訪れたとき、中学か高校生のグループが見学に来ていました。 授業の一環としてここを訪れることができるなんて羨ましい、と思ったのですが、まだクラスメートと騒ぐことの方に夢中な年頃なのよね。

作家の息遣いに触れることができた博物館ですが、まだ続き(オチ)があります → カレン・ブリクセン博物館のカフェで
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コメント
プリンさんへ
個人の家が博物館になるのって、本当はちょっとヘンな気分もします。 人んち見て喜んでいるんですもんねぇ・・・ でも、こんな広くて骨董品が揃っているから、博物館としても機能するんでしょうね。 
本当に、歴史がある場所って、感慨深いです。 
Mevrouwさんへ
昔、テレビで「Out of Africa」を観ました。 でも、内容ほとんど覚えていないので、今また観てみたいです。 実際の元旦那も、かなり強烈な個性の持ち主だったようで・・・ すっごい夫婦だったかも。
カレン・ブリクセンはアフリカ時代だけでなく、その後の人生も、また跳んでいます。 でもお屋敷のインテリアは素敵なの。
LINDA☆さんへ
デンマーク人ならカーレン・ブリクセン読まなきゃ!
なのかなぁ、お札に印刷されている人だし。
アンデルセンやカレン・ブリクセン、デンマークには稀有なストーリーテラーが多いです。 (多分LINDA☆ちゃんはその血を引いてる!)

今日は日中でも夜みたいな、どんより曇った日でした。。。 
(雪が降ってくれた方が明るいんだけどな。。。)
かおにゃんたさんへ
私は、つい最近まで、デンマークの50kr紙幣の肖像画をデンマーク女王だと思ってました・・・

映画、観ましたよ~。 (義母は前に観たことあるけど、私がなんだか騒いでいるので、DVDが欲しいわと言ってくれた。) きゅと小さな幸福が心に宿る映画でした。 グルメの国からビールパンスープの国で一生を送る決意をするバベットに涙。
sarahoctavianさんへ
流石 sarahoctavianさん、カレン・ブリクセンも「愛と悲しみの果て」も「バベットの晩餐会」もご存知。 ステキですね、「バベットの晩餐会」のご本を贈ってくださったお友達のセンス。 そして、映画版にも目を通された sarahoctavianさん。 「静かな中に情熱を感じさせる」というご感想のお言葉。
なのに、私の「オチ」なんて、恥ずかしくなっちゃうほど下らないことです・・・
それほど昔ではなくても、当時はまだ小説を執筆するのは男性、という雰囲気があったのですね。 しかしカレン・ブリクセンは、男じゃ太刀打ちできないほど、すごい人だと思います。
アリスさんへ
> Out of Africaもバベットの晩餐会も知っていたけど同じ作家でデンマークの女性とは知りませんでした。
実は私も同じく。 エラソーに書いてますが、最近知りました。

そうそう、こっちの人達って、自然にキャンドルを生活に取り入れてますよね。 日本では、非常事態発生のときしかロウソクにお目にかからなかった・・・ アメリカでも?
帰って直ぐにパン作りだなんて、すごい! 私だったら・・・ インスタントもので済ませちゃう。
カレン・ブリクセンさんのことは知りませんでしたが、自分の好きな
作家の博物館に行くのって、楽しいですよね。改めて本を読み返したく
なったりして…(*^_^*)

こういう風に生前の姿を残しておいてくれると、過去にその方がこの場所に
いたんだなって思えて、嬉しいです。歴史ある所にいくと、いつも
感慨深くなります^^
昔、レンタルで「Out of Africa」を観ました。もちろんメリル・ストリープはよかった。男優はレッドフォードより別れた旦那役のブランダウアのほうが強烈な印象でした。ちょうど「メフィスト」見たところだったんで。映画を見たときは、あの時代にアフリカに行く北欧の女性というのは、ちょっと想像できなかった。でも博物館の写真を見せていただいて、本当にいたんだ。本当に跳んだ女性がいたんだ、と、実感できました。またDVD見てみたいです。
こんにちは
Chakyさん
今日は日本(名古屋)も粉雪が舞いました。
そちらはいかがですか?
カーレン・ブリクセン!
未だ小説も映画もtryしてませんが
50KR紙幣は懐かしいな~
:;。+゚+。キュ━(*´U`*)━ン。+.。゚:;。+
小説家としてはかなり遅咲きだったんですね。
アップされた写真からも
デンマークのかほりがして
:;。+゚+。キュ━(*´U`*)━ン。+.。゚:;。+連発です。
バベッドの映画は好きでも、ブリクセン作とは・・・気付きませんでした・・・(汗)

映画はお義母さまと見ましたか?
カレンといえば
カレン・ブリクセンといえばメリルストリ-プの「愛と悲しみの果て」をイメージしてましたが、私も数年前に友達から愛らしい小品「バベットの晩餐会」をプレゼントされたのが二度目の遭遇。そのあと映画版があると知って(遅いんだよね~わたし)レンタルしました。静かな中に情熱を感じさせる、いかにも北欧らしい作品ですね。カレンが男性ペンネームで執筆していたということも聞き、当時の女性って権利を主張するのも大変だったんだなぁ~と、改めて彼女の強さに感心しました。
ところで、どんなオチだったんでしょう?
Out of Africaもバベットの晩餐会も知っていたけど同じ作家でデンマークの女性とは知りませんでした。Out of Africaは何かと縁がなくまだ見てないんですよ(家にあるDVDが不良品!)。本を読むしかないかしら。
こうやって大事にメンテナンスしているところが良いですよね。
ところで、チェコで家族はキャンドル生活してました。私も、ムキになって燃やしてます(笑)。キャンドルの使い方までアメリカ人より自然です(もう偏見入りまくってます)。まだ時差は残ってますが、今回はゆっくりしたせいか元気で、昨日はChakyパンをロールにして焼きましたよ~。今回はまっとうにグッドなロールになりました。

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