カモメ残酷物語

2006.06.03.
私たちが住むアパートの、中庭を挟んで、向かいにあるアパート。 4階のベランダに、空のプランターが下がっています。 そこに、カモメの夫婦が巣を作って、卵を孵していました。 

実は、去年の春も、カモメの夫婦がそこで卵を孵していました。 (プランターの上に、じぃーと座っているので、気づいたのです。) うちの台所から、ふと外を見ると目に入るので、するともなく毎日観察することに。 しかし1ヶ月程たったある日、カモメがキィーキィー鋭い声を出しているので見てみると、その部屋の住人であるらしい中年男性が、プランターを弄っている。 巣と卵に気づき、破壊したらしい。 ここはアパートの立ち並ぶ住宅地なので、彼の行為は正しいですが、もっと早くに対処すべきだったのに。 

ところが、今年4月、また例のプランターの上に、カモメが座っていたのです。 (プランターも、相変わらず空のままで。) 昨年と同じカモメの夫婦なのだろうか? なんでまた懲りずに・・・ などと思っているうち、昨日の朝、プランターの中で何かが動いているのを発見! 今年は、雛が孵ってしまったよう。 しかし、この子カモメ達の運命はいかに。

私がそのように憂いする間も無く、子カモメの運命の車輪は、急速に回ります。 その日の夕方、子カモメが下の道路にいるのを発見! 4階から落ちてしまったらしい・・・

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夫が「赤ちゃんカモメ、下に落ちちゃったみたい」というので、外に見に行ってみると、灰色の、フワフワの産毛の子カモメが、道路の上にいるではありませんか。 弱々しげに歩き、1匹の親カモメが、そばに付き添っています。 しかし、親が持ち上げ運ぶには、大き過ぎる。 そして他のカモメたちが、雛を狙って空を飛び、親カモメの方は必死に防衛。 もう1匹の親カモメは、電燈の上で見張り、何も知らない人間が、傍を歩くだけでも、アタック。

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気づくと、道路を挟んだ中庭に、もう1匹雛がいる。 親カモメは、2匹の雛の間を行ったり来たり。 

カモメを刺激しない距離を保ち、しばし眺めていましたが、自然の掟に手出しは禁物。 自分のアパートに戻ったものの、気にかかり、時おり台所の窓から見ていると・・・

この悲劇に気づいた他の住人達も、ベランダや外に出て、見ている。 しかし悪ガキはボールを投げつけたり、雛を取ろうと近寄ったり。 もちろん親カモメの猛アタックを受け、人間の子供達の方が逃げるはめに。 

そのうち、プランターの主らしき人がやって来て、動かなくなってしまった1匹の雛を持っていってしまった。 どうやら、プランターの上に返したらしい。 それで1匹の親カモメはプランターの上に座り、もう1匹の親カモメは、地上でもう1匹の雛と一緒に。 お腹の下に雛を入れ、守って暖めているのですが、時々親カモメが離れると、雛が親を探して、ちょこちょこ歩く姿が哀れ。 

明日の朝まで、もつかな・・・ と危惧したのですが、今朝も地上のカモメの親子は健在でした。 しかし、地上は危険がいっぱい。 本当に、家を建てるときは、安易に決めず、慎重に、と思うのでした。
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カモメ残酷物語の結末

2006.06.06.
4階の空のプランターに、カモメが巣を作り、雛が孵ったけど、下に落ちてしまった・・・ そのカモメ親子の運命の結末。 

翌朝になっても、下に落ちたカモメの赤ちゃんは生き延びていました。 プランターの中の雛も無事のよう。 しかし、その日の午後見てみると・・・ なんとプランターは空になり、下に親カモメと・・・ 雛が3匹に増えている~! 親子で、砂場で、こちょこちょしている。 えっ、何、プランターが手狭になったので引っ越したの!?

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翌日の日曜日も、親カモメと3匹の雛は健在でした。 しかも、雛はひとまわり大きくなっているようで、もう自分でエサを探すふりや、羽の部分を動かし飛ぶマネなどして、なんとも微笑ましい。 しかし砂場の近くを人間が通ると、親カモメが猛攻撃をし、危ない。 そして・・・

月曜日の朝、出掛けるために階下に行くと、玄関に、中庭の改良工事の告知が貼ってあります。 砂場など取り払い、遊び場は移し、自転車置き場などを作る工事を6月からするそう。 これじゃあカモメ一家も立ち退きだなぁ、と外に出ると、うちのアパートのハンディマンがいる。 ちょっとしたアパート内の修理や庭掃除などをする、よろず屋。 このようなカモメの件も、彼の管轄です。 

午後、アパートに戻ると、カモメも雛もいない。 跡形もなく、いなくなっている。 夫曰く「やっぱりサンダーが殺しちゃったんだよ」(注:サンダーというのは、ここのハンディマンのことです。 髪を長く伸ばした彼は、私の妹が大ファンの某イギリスロックバンドのギタリストに似ているので、私と夫の間では、彼をそのバンド名で呼んでいる。) 

始めのうちは、かわいい~などと見ていればいいけど、親カモメは子を守る為に人間を攻撃するし、雛も大きくなれば悪さをするようになるだろうし、工事も始まるしで、やはり始末しなくてはいけない運命にあったのよね。 でも、空の砂場を見るのは、ちょっと寂しいです。
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