外国に住むということ

このブログをご覧くださった方々から、スウェーデンの生活に憧れます、なんておっしゃっていただくと、心底心外で、不本意で、そのようなイメージを与えてしまったことで罪悪感でいっぱいになり、ものすごく反省します。

さりげなく一生懸命、スウェーデンの料理は不味い、スウェーデン語はマヌケ、スウェーデン人はダサい・・・と、訴えているつもりなんですけど。

でも、隣の芝生はあおい。 私も、いいなぁニュージーランド、住みたいイタリア、楽しそうコロンビア、フィンランドはスウェーデンより数倍も暮らしやすいはずだ、って他の国に住んでいる人たちを羨ましく思いますもん。

このブログでは、スウェーデン生活での物事を、ちょっと面白おかしく書くよう心がけていますが、実際の暮らしは、もちろん、ここに書いているようなことだけで成り立っているわけではなく、外国暮らしは要らぬ苦労や心労も多いです。 それは、どこの国に行けど同じだと思います。 

アメリカ合衆国ネブラスカで大学院生活を送るアリスさんのブログ『茜色の空ととうもろこし畑』は、アメリカ中西部の自然や野鳥の写真、挑戦しているレシピの話、体にやさしいナチュラル素材に、今話題の油脂についてなど、楽しく役に立つ記事が満載です。 また、私が敢えて書かずにいるネガティブな問題にも触れています。

最近のエントリー「外国人であること」で書かれているアリスさんの体験談に、考えさせられました。 スウェーデンでも担当者の急な解雇はありがち、職責であっても黙殺する人もいるいる。 人が信用できなくなるような経験は、私もしました。 記事内にあるアメリカという単語をスウェーデンに置き換えれば、この国でも起こっていることです。 (かぎ括弧「 」内は、アリスさんのブログからの引用です。)

例えば「ここはアメリカですよ、アメリカ人は他人の為に何もしませんよ」。 (日本領事館からのアドバイス)

「君が電話をかけたとき、相手は決して言わないけれども、言葉を聞いて門前払いしている可能性あると思うよ。 アメリカ人と同じ扱いをされることはないと思うよ」。 (アジア系団体で働く移民系のスーパーバイザー)

スウェーデンにおいて移民が占める割合は多く、私もこの国では、ただの移民。

「この国では、”間違った肌の色”と”間違った言葉”を持つことで常に差別される。 誰も絶対に認めないけれど、私は、毎日それを感じない日はないし、どこか新しい場所へ入っていくたびに”違う扱い”をされることを感じるよ」ということも、あります。

いくらスウェーデンという国のイメージが良くても、長期暮らすとなると、イメージなんて何の生活の役に立たない代物です。

しかしながら、問題はこの国(だけ)にあらず。 問題は、日本の常識を外国に持ってきて文句言っている自分に(も)あるんですね。 ここでは私が外国人。

感じ方や考え方、また生活の場である環境も人それぞれゆえ、一概に語れない面があり難しいのですが、アリスさんの「外国人であること」に触発され、スウェーデン社会の負の面も書いてみたいと思った次第です。

事実にもとづいたフィクション

「ちょっと来てくれる? メールが届いているんだけど、キミ宛でもあるから」と、夫が私を呼ぶ。

それは夫の知人である日本の方からで、私たち夫婦へ新年の挨拶、私の(この)ブログを楽しんでご覧くださっている旨、そして「お料理好きな奥様なんですね?」という一言が・・・

痛い、夫の視線が痛い。 この場で白状しますが、私は料理が苦手で嫌いで、必要に駆られ努力はしていますが、今だ料理するより茶碗洗っている方が楽しいという性格です。

このブログに載せている料理やお菓子は、作ったことは事実です。 一年に一度、もしくは一生に一度しか作らないかもしれませんが。 ほとんど夫(の方が料理上手)の手を借りています。 でも、いちいち「彼が作りました~」と書くとノロケていると誤解されかねないし、二人で作っていると仲良くどころか諍いが始まりますが、その辺もブログでは端折っています。

このブログに載せていることは、私の実際の生活の「何百分の一」ほど。 ブログタイトルに合わせた内容にするため、実際はスウェーデンのお菓子作りよりも、納豆作りに精を出していることは、書いていません。 素敵なティーサロンに行った日の夜、ほうじ茶を飲みながら『ドラえもん』のDVDを夫婦揃って観たとしても、ティーサロンのことしか書きません。 冬の北欧、キャンドルが灯される部屋の中で、その住人は日本から持ってきた半纏を羽織っている姿を描写する必要もないでしょう。 (そういうネタの方がおもしろい?)

ブログとは、事実にもとづいた、フィクション!? 
(↓友情出演のドラえもん)

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(2000/11/15)
大山のぶ代小原乃梨子

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出る杭が無い国 Jante

スウェーデンの新聞や雑誌のコラムなどで、時折「ここは Jante の国だから」とか、「Jantelagen 云々」と書いてあるのを見かける。

瑞英辞書には載ってない、人の名前みたいなこの単語の意味が分からず、「Jante(ヤンテ) って何?」と夫に聞くと、

「Jantelag(ヤンテ法)のことでしょ。 ”自分を人より優れていると思ってはいけません”っていう、スウェーデン社会に蔓延している暗黙のルール」

あ~、分かる! 日本にもあるよ、 ”出る杭は打たれる”って。

「ん~、それとはちょっと違う。 杭が出ないように自制するのが、Jante法」

Jante法は10か条あり、自分を特別な存在だと思うな、自分を我々より賢いと思うな・・・ ということが書いてある。 つまり、自分を信じて成功を夢見てはいけないんです。 目立たず、社会を乱さず、与えられた状況の中で、皆と横並びに生きていかなきゃいけない。

Jante法の出所は、デンマーク/ノルウェー人作家 Aksel Sandemose (1899-1965) が1933年にノルウェー語で発表した小説。 (これが分厚い上に3部作で・・・)

Jante とは、彼が生まれ育ったデンマークの小さな町をモデルとした架空の町。 しかし Jante は、北欧(デンマーク・ノルウェー・スウェーデン)のどこにでもある一般的な町。

昨今は「北欧モデル」などと良いイメージで取りざたされている北欧社会ですが、一昔前は、欧州の片隅にある貧乏な国に過ぎず、不毛な大地に点在する村々は、とっても閉鎖的でした。 その風刺を込めて Aksel Sandemose が箇条書きにしたのが Jante法。

この Jante法は、今でも潜在的に北欧社会にある。 

でも、良きスウェーデン市民になるため半ば強制的に通わされた「SFI(移民のためのスウェーデン語=語学よりもスウェーデン社会について学ばされ、恐ろしくレベルが低く、通うものを鬱にさせる学校)」では、Jante法について習わなかったな。

「Jantelagen はネガティヴなものだからね」

やっぱり、あの学校って都合のいいことしか教えないのね。

エルサレム賞とデビス杯

時事的な話題としては、ちょっと(ずいぶん?)前のことになりますが・・・

合衆国のネブラスカで大学院生活をおくるアリスさんが、「村上春樹さんのイスラエル賞受賞でのスピーチ素敵でした」と、村上春樹「エルサレム賞」受賞スピーチの日本語全訳されたサイト(←リンクしてます)を紹介してくださいました。

エルサレム賞はイスラエル最高の文学賞で、現代日本を代表する作家村上春樹氏が2009年の受賞者となり、エルサレムでの授賞式は2月15日でした。 

パレスチナ自治区ガザへの攻撃で国際的非難が高まっているイスラエル。 スウェーデンではイスラエル産の野菜や果物の不買運動を呼びかけたりしてましたが、3月始めにスウェーデンで行なわれた男子テニス国別のデビスカップがボイコットされる騒ぎもあったっけ。 

それというのも、グループ一回戦がスウェーデン対イスラエルで、開催された町が紛争地帯からの移民が多い地域だったから。 最初、イスラエルに抗議する市民団体からボイコットの声が上がったようだが、それに賛同した左翼グループがデモを計画し、さらに騒ぎを起こしたくてたまらない血気盛んな輩が加わって、収拾できない状態になること必須。 (スウェーデンの都市部では、このようなパターンが多い。 行き着く先は暴動化。) それを危惧した政治家が、試合をボイコットすることを決定し、一般公開せず、観客不在で試合が行なわれたのでした。

それでも当日、デモは行なわれ、警察隊との衝突もあった模様。

この場合、大人数で相手を屈しようとしているのは誰か、正義の名もと暴力をかざしているのはどっちか、考えずにはいられませんでした。

村上春樹氏は、ご自身で賞を受けるか辞退するか決断し、一人でイスラエルに赴き、一個人としてご自分の意見を授賞式で述べられた。 イメージダウンや身の危険だってあったろうに。

スピーチの内容も素晴らしいですが、氏の言動そのものが勇気あるものだと敬服いたします。 と、デモばっかりやってる連中を横目に思ったのでした。

追記: 実は、私も村上春樹作品はそれほど読み込んでいないし、たとえベストセラーでも自分の感性に合うとはいえない小説もあるし・・・ でも、エッセイはオススメ~。 難解ではなく、読みやすくておもしろいですよ。 この『村上朝日堂』は安西水丸さんのイラストとも合っていて、村上さんってなかなかチャーミング、なんて思います。

村上朝日堂の逆襲 (新潮文庫)村上朝日堂の逆襲 (新潮文庫)
(1989/10)
村上 春樹安西 水丸

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この文庫本を読んだのは、旅先のバックパッカーズ(宿)で。 そこで出会った日本人の旅人が、別の日本人から譲り受けたのを私が貰い、私も次の日本人宿泊者に預け・・・ かなり昔の思い出話です。 (出版年を見ればお分かりのとおり・笑)

結婚とは

先日ご結婚なさったスウェーデンの王女ヴィクトーリア。 お相手のダーニエルとは、私がこの国に来た頃からお付き合い始めたかと・・・

そして当時、このダーニエル、とても評判が悪かった。 金持ちのボンボンで、知性も教養もなく、親の金でスポーツジムを経営していた鼻持ちならない奴で、王室に相応しくないと出入り禁止にされたり・・・

だから、この二人はいつ別れるのかなー、王女はいつ相応しい相手を見つけるのかなー、と思っていたのですが・・・

「結局コイツと結婚したんだねー。 どうして、もっとマシなの見つからなかったのかね?」と夫に言ったら、

「彼女にとっては、彼が一番なんでしょ」。

・・・そうね、そういうものよね、結婚って。 私がとやかく言う筋合いも、資格もないわ。 (この国の国民でもないしねー。)

彼と付き合う以前は公式な恋人もなく、彼と付き合い始めてからは他に浮いた話もなく、彼への愛を貫き通した(・・・ということになるのかなー)。

スウェーデン王室の結婚式前夜、わたし達はデンマークの友人宅で hygge な御もてなしを受けていたのですが、お土産に例の mazarin を持って行ったら、箱に写真も印刷されていたので、ウケた。 (友人の恋人のおばあちゃんが王室ファンだというので、おばあちゃんに進呈することに。)

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デンマークの友人達が「この結婚相手ってどうなの?」と聞くので、「なんか、Dressman (北欧の紳士服チェーン)のモデルみたいだよねー」と、私が以前から思っていたことを言うと、二人とも「ホントだ、ホントだー」とmazarin の箱に見入って納得と同意。 

デンマーク王子の結婚式のときは、前日にコペンハーゲンの街を散策したものの、私にとってストックホルムは外国よりも遠い。 翌日もコペンハーゲンにいたので、スウェーデン王室の結婚式の様子もまったく分からず。 (私が興味あったのは、限定販売のお菓子のみだったのです。)

ところで、王女の結婚式の日、ガールフレンドと一緒にIKEAに行った夫の友人のダーニエル、「僕達に結婚割引ないの?」と言ってみたけど、「ふん」と鼻であしらわれたとか。 そう、ダーニエルの彼女の名前は、ヴィクトーリア。 スウェーデン王室の新郎新婦と同じ名前のカップルなのでした。 

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