セムラはただの白パンです

2013.02.11.
洗礼を受けた子供達のお祝いの会みたいなのが、日曜日に教会で開かれました。

前回はケーキが振る舞われましたが、今回は、fastlagsbulle。 ちょうど fastlagssöndag (赦罪の主日) と呼ばれる日だったし。

ズラリと並び、圧巻! お店のショーウィンドーに並ぶより多い! 全てボランティアさんの手作り。
 
fastlagsbulle1.jpg

この fastlagsbulle とは、いわゆるセムラです。

でも、スコーネ地方では、fastlagsbulle と呼ばれます。 今は一般的セムラと言う人の方が多いかもしれないけれど(お店でも semla が主流だし)、ちょっと年齢が高くなると、 スコーネの人なら、fastlagsbulle と言う。 うちの義母もそう。

義母のお父さんが、昔、ちょうどセムラを食べる時期にストックホルムに行ったときのこと。

ストックホルムに着き、まずはフィーカと、カフェに入ってコーヒーを頼んだら、給仕の人に「Semla も一緒にいかがですか?」と勧められた。 「じゃあ、ひとつ頼むよ。 あ、バターも付けてね」と言ったら、給仕の人が怪訝そうに、「Semla って、このことですよ」と持って来てくれたのを見てビックリ。

fastlagsbulle2.jpg

「これは、fastlagsbulle じゃないか!」
スコーネでは、semla というと、ただ単に白パンのことを指していたのでした。

教会の人たちも、招待状にも、fastlagsbulle と書いてあったし、言っていたけど、それは自然にそう言っていたのか、それとも fastlagssöndag を意識してのことだったのかな?

でも、本来食べるのは、火曜日の Fettisdagen。
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ある夏の日 Ystad で

2009.09.14.
Ystad で Munkmarknad (坊さん市)が開かれるというので行ってみたのは、確か7月7日だったか。

Munk とは、英語の monk、「お坊さん及び修道士」のこと。 中世の街並みが残る Ystad では、カトリック時代の修道院跡もあり、修道士のマスコットが町のシンボルになっています。

また、スウェーデン語で munk は「ドーナッツ」のことでもあります。

Ystad のウェブサイトで、修道士の格好をしたおじさんがドーナツを売っている写真が楽しそうだったので行ったのだが、時間が早かったのか、ハンドメイド品などを売る屋台が通りに店を出しているだけだった・・・

夫が「かわいい~♪」と気に入っちゃったので買ってあげた、樹脂細工の小さなネズミが、唯一のこの日の買い物。

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しかし Ystad は、古い民家が並ぶ通りを、のんびり歩くだけで目の保養に。

ystad77091.jpg

家の外壁やドアは、花やベンチなどで個性的なデコレーションをあしらい、さりげなく人に見せるために飾られた窓辺も、通りすがりの者達の目を楽しませてくれます。

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そんな家のひとつ、ぼうぼうと茂る Stockrosor(タチアオイ)に見とれていたら、一人のおじいさんが門のドアを閉めるのに四苦八苦していました。 

夫が「手伝いましょうか」と声をかけたら、おじいさんは「大丈夫だよ」と門を一旦閉めたのでしたが、それをまた開けて、「うちの庭見たい?」と私達を中に招き入れたのでした。

ystad77093.jpg

そのお庭は、昔は馬と馬車を置く場所で、今は地下に埋められちゃったけど、横には小川が流れていました。 おじいさんは若い頃、ボランティアの医師としてイスラエル、パレスチナ、アフリカに行き、その地で咲いていた植物の種を持って帰り、この庭に植えたところ、スウェーデンでも南端の暖かい気候なのと、馬小屋があった場所では馬の排出物から堆肥を作っていたので、ぐんぐん成長したのでした。

まぁ、ジャングル状態だったんだけど。

さらにおじいさんは、1700年代に建てられたという家の中まで案内してくださいました。

中に一歩踏み入れると、広いリビングがあり、壁側にはありとあらゆる年代物の品々が、びっしり置かれ、窓際の椅子にはおばあさんが座りアコーディオンを弾いていました!

おじいさんとおばあさんは兄弟姉妹で、この古い家で生まれ育ちました。 (しかしお年寄りで体が不自由なためか、庭も家の中もおじいさんおばあさんご本人も、手入れが行き届いていないので雑然としているのが、また独特な雰囲気を醸し出して・・・。)

壁には絵画やイコンが掛かっていて、肖像画のひとつは、おじいさんおばあさんの貴族のご先祖。 (お二人はスウェーデン貴族の血をひいているのだ。) そのオリジナルはストックホルムにあり、ここにあるのはおばあさんが模写したもので、イコンはおじいさんが描いたものだそうです。

おじいさんは銀細工師でもあり(いろいろな職業についていたのだ)、美しい銀のティアラは彼が作ったものです。

台所の壁にかかる大きな鮮やかな色のタペストリーは、エジプトで彼が世話をした人々が、感謝の印に手で織り、おじいさんに贈ったものです。

そうして、おじいさんがいろいろ説明してくれる間、足の手術をしたばかりで動けないおばあさんは椅子に座ってアコーディオンを弾き続けるのでした。

最後におじいさんは、鎖の先に金の指輪を下げ、壁からはずしたイコンの上にかざし「こうすると聖なるものに反応するのだ。 見てご覧」と言い始めました。 今度は外に出て指輪を地面にかざし、「こうして水が流れている場所が分かるのだ」。 さらに「わしがアフリカで働いていたとき、胸騒ぎがして、ある家の中に入ると、そこには瀕死の急患がいて命を取りとめることができた」というようなお話を披露してくれました。

おじいさんおばあさんに別れを告げ、薄暗い部屋の中から青空が広がる外に出たとき、眩しい夏の日差しに目がクラクラし、私達はいっとき、魔法の館で魔女や魔法使いと過ごしたような錯覚に陥ったのでした。

余談: Ystad は Henning Mankell のベストセラー犯罪推理小説 Kurt Wallander シリーズの舞台でもあります。
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この日の夜は、Wallanderloppet(ヴァランダー・マラソン)なるものも行われてた模様。 刑事ヴァランダーが走ったイースタの街を駆け抜ける!という趣向?
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